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雲取山 3 山頂へ写真 1:さいごの登り 2:山頂についた! 3:と思ったら、こっちがほんとの山頂だった 晴れ空の下、山頂に向けて歩きだす。急な登りがある。坂の途中でふりかえると、山並みがとても美しい。富士山が雲のまにまに見え隠れしている。 ふみ氏が「あっ!」と空を指さす。猛禽類が二羽、木の上を横切る。「なにあれ?トンビ?」トンビにしては腹部の白黒模様がはっきりしてるような…それになんか雰囲気が違う。「ん〜、タカかも」オオタカかもしれない。 のぼる氏が持ってきていた杖(トレッキングポールともいう)をみんなで交互に使わせてもらっているが、これがなかなか使いよい。今まで使ったことなかったが、これからはあったほうが楽かも。 どんどんガシガシ登っていると、避難小屋らしきものが見えてきた。避難小屋は頂上にあるのだ。やった!もうちょっとだ。頂上に近づくにつれて富士山もくっきり見えてきた。霊峰を眺めながら尾根道を歩く。 そしてさいごの坂を越え…ついに…ついた!やった!頂上だ!ばんざーい!みんなでヨロコビを爆発させる。 そのあと、ふとちづ氏が真顔になり、「あれ?あっちが山頂じゃない?」と。見ると、避難小屋の裏側にいかにも山頂チックな立て札や三角点の指標などがあるではないか。あちゃー、あっちがほんとの山頂だった。こっちはただの「岩の盛り上がり」か。すいません、間違えたのはぼくです。 みんなですばやく移動し、ほんとの山頂に着き、ほんとの山頂に立つ。なのに…不思議とさっきのようなヨロコビは湧いてこない。なんでだろう…?ま、いいか。富士山バックに5人並んで記念写真を撮ると、またさっきの「ぼくたちの山頂」にもどり、「ぼくたちの山頂」でお茶をわかしておやつを食べながらのんびり休憩した。 避難小屋の中に入ってみる。板の間になっていて、気持ちいい場所だ。気に入った。避難小屋というのは無人の小屋で、基本的には緊急避難用のみに使うべし、ということになっている。でもぼくはここに滞在してみたくなった…。 避難小屋に「思い出日誌」というノートが置いてあり、登山者が思い思いに綴っていた。読んでいくと、思いのほか、雨や雷、風に雲、霧などの悪天にたたられている人が多い。今日の晴れ空はラッキーだったのかもしれない。 印象に残った記述には、こういうのがあった。 「夜、雷雨が去ったあと、富士登山の人たちの明かりが妖しい光を放っていました」 遠い夜の富士山にうごめく光。光景が目に浮かぶようだ。「妖」の字を使うところに筆者の詩心を見た。 「雨、雷、風、真っ暗、急こうばい、死ぬかと思った。やっと避難小屋にたどりついたときの喜びは…人生ベスト3に入るものだった」 雨、雷、風かぁ、キツいときはえらくキッツい山なんやなぁ。しかも夜で。おっちゃんいい経験したなぁ。ぼくの人生ベスト3はなんだろう? つづく
by kazeture
| 2009-09-11 19:27
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