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少年と8歳の少年とふたり差し向かいで食事をした。 ひとつのテーブルに少年とぼくだけが向かい合って座っている。 少年「ドラえもん好き?」 サヤカ「え?ああ、好きやで」 (8歳の頃、大好きだった。寝食を忘れて没頭した) 少「ぼくも好きや。おもしろいなぁ」 サ「うん。めっちゃおもろいな」 少「でもなぁ…お母さん、あんまり漫画買ってくれへんねん」 サ「え?そうなん?」 少「うん」 サ「なんでやろ…」 少「なんでかなぁ…」 サ「あんなにおもしろいのにな…」 少「うん…サヤカ君はドラえもんのどこがおもしろいん?」 サ「え?……顔かな」 少「(ニヤッとして)あんな顔、ありえへんもんな…」 サ「学校おもしろい?」 少「んー。まぁまぁ」 サ「好きな科目なに?」 少「ないよ」 サ「ないの?」 少「うん、ない…。 (ポツリと)走るの速くなりたい」 サ「走るの?」 少「うん……。 べつにな、だれかに勝ちたいわけじゃないねんけどな」 サ「勝ちたいわけじゃなく、ただ速くなりたいの?」 少「そう」 「勝ちたいわけじゃなく ただ速くなりたい」 なんか、かっこいいな。
by kazeture
| 2008-10-13 13:25
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