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入院2日目 病室での暮らし
2017年5月6日
入院2日目
ネパール ベシサハール 入院病棟にて ねむれた。 入院病棟のベッド、なかなか寝心地が良い。 僕の向かい側のベッドに、5歳くらいの男の子が入院している。 お母さんが泊まり込みで付き添っている。 その子が携帯電話か何かでテレビドラマのようなものを見ているのだが、 それが恐ろしげな戦闘アクションドラマなのである。 やたらと恐ろしさを掻き立てる演出をした、むかしのイクサのような、武将たちの戦いのドラマ。 僕でも恐ろしくなるような雰囲気のドラマを、5歳くらいのぐったりした病気の幼児が見ている。 病気の幼児が病室のベッドで見るのにふさわしいか? もっとほんわかしたものを。 その時、僕の目に、何かほわほわしたものが映った。 キャラクターの顔が雲のように浮かんでグニグニ蠢(うごめ)いている。 ほわほわして、あたたかくて、カラフルで、おもしろく、笑えるような世界。 夢うつつの中で幻視した。空間にマボロシが映っていた。 それが、ないのなら、この手で作ろう。 僕は作ってみよう。 (この7・8月にカラー絵本漫画のようなものを描く予定) 8:40 バスーさんが来てくれた。 ナースが来て、「カウンターに行って」と言う。歩いて行く。 僕が歩けているのを見て、バスーさんも喜んでくれた。 おしっこの検査をする。 おしっこは「ユーリング」というようだ。 ベッドに戻る。 ドクターが来て、足をプニプニ押す。 僕は「プニるな!」とは言わない。プニプニが診察だから。 ドクターがバスーさんにネパール語で話す。 バスーさんが僕に日本語で 「明日の朝、ホテルに戻ります。それでいいですか?」と言う。 「あ、はい」 今日の夜もここか…。 一泊の予定が二泊に延びた。 まだ治療が充分ではないらしい。 僕的には「歩けるようになった」だけで、ものすごく充分なのだが…。 (まだ歩き方がギクシャクしている) で、バスーさんが「今、何か要る?」と言うので 「ミルクティー」と答えた。 「ビスケットは?」と言うので 「じゃぁ、ビスケットも」と言った。 バスーさんは去った。 しばらくすると、ベッドに見知らぬ女性がやって来た。 ミルクティーとビスケット2袋を僕に差し出す。 バスーさんが注文して、この人が持ってきてくれたようだ。 僕が飲み終わるまで彼女は部屋の隅で待ってて、空コップを持って帰った。 きっとこの近くの商店の人なのだろう。 ドクターが来て、「Yourおしっこ、Burning!」と告げる。 え? Myおしっこがバーニング? もへぁ〜、おしっこが炎上してるんかいな。 「水をもっと飲んで!」と言われる。 了解でーす。 9:50 ウンコをする。 この病室の隅に、トイレ&シャワーの部屋が2つあり、片方は洋式トイレだ。 洋式、助かる…。 バナナとりんごを食べる。 (足首のムクミがなくなってるなぁ) (今日も血管に液体注入されてます) さて、この時日記に、今回のトレッキングで「何が大変だったか」について書いている。 以下、引用。 「今回、いろいろあったなァ。 『もうダメだ』と思ったのが ・1〜3日目の登り。しんどすぎ。 ・マナン2日目 夜3:30 足首の痛さに叫び泣く。 ・ジープ8時間ガタガタ道。 ・標高下げたのに全く治らず立てず歩けず動けず。 …の4つ。しんどさ四天王。 もともと、はじめの登り8日間だけでももうバテバテで、どうしようもなかったのだ。 なのにそのあとに迫り来た苦難また苦難の連続。 いったい、こりゃ何なんだ。 精神の鍛錬にはなったよ。 苦難は精神を鍛える。 もうオレは異国で一人入院したって平気だ。 誰もオレを悪いようになどしない。」 引用終わり。 「誰もオレを悪いようになどしない」 そう、このベシサハールの病院の人々も、みんな優しかった。 僕を悪いようになどしなかった。 僕がヨタヨタしてるのを見ると、すぐ手を貸してくれた。 レントゲン室の技師や、ドクターたちも、みな率先して肩を貸してくれた。 体を使って助けることを厭わない人たち。 そして朗らかに笑う人たち。 彼らだったから、こんな異国の田舎のちび病院に一人で詰め込まれても、大丈夫だった。 向かいの男の子の、お母さん。 いつも歌っている。子どもに向けて。 寝かしつけるように。 低く静かに歌ってる。 子守唄のように。 あれ、いいなぁ。 子どもは安心するだろう。 僕も安心する。 病室に流れる、静かな唄。 「頭をフケだらけにして大地を疾走する 最後のトップランナー。」 何これ?(描いたけど、忘れた) 「最後のトップランナー」か…。 最後尾についていた人が、ふと気づくとトップランナーになってるような感じかな。 17:30 バスーさんが奥さんを伴って来てくれた。 ベジスープとチベタンブレッドを持って。 チベタンブレッド(美味しいと聞いていた)を初めて食べたが、ドーナツみたいで美味い。揚げてあるのか。 バスーさんは「明日朝8時頃来るから、一緒にホテルに帰ろう」と言った。 そして奥さんと帰って行った。 ありがとう。 そんな感じで、 入院2日目も終わってゆく。 穏やかに過ぎる。 明日はシャバに帰るぞ〜♪
by kazeture
| 2017-07-20 22:08
| ネパール2017
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