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風に連れられ旅をする… 旅人 清火(さやか)の写真+言葉
by kazeture
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激痛3日目 独房での暮らし

2017年5月4日 
激痛3日目
ネパール・ベシサハールにて

朝、目覚める。
ということは、寝たのだな…。

右足先、くるぶしより先の部分、特に土踏まずのあたりが痛んで痛んで、どうにも寝苦しかったのだが、
いちばん痛くない体勢を発見し、それでなんとか眠ることができた。
たぶん午前3〜7時の4時間くらいは眠れたと思う。

痛みが増している。
なんで増すの?
減る予定なんですけど。
もうわけがわからない。
どうすりゃいいんだ。

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(その日のノートより)

それでも、僕はこの日の午前中はまだ、
「足湯とマッサージで治ると思う」と日記に書いている。

自分の力で、自然治癒力で、治す!
と思っていた。

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(足湯しました)

そしてこの日は一日中、朝から晩まで、独房(窓のない部屋)から出なかった。出れなかった。

立つことも、歩くことも、なかなかできず、
食堂にも行けないし、
トイレにもなかなか行けない。
行く必要のある時は、文字通り「這うようにして」トイレに行った。

這うようにして、トイレに行く。
って、なかなか、ありそうで、ない。
そういうことを体験する旅です。

バスーさんは時々様子を見に来てくれた。
「明日には、2階に移れるといいですね」と、バスーさんも、このまま回復していくことを信じてくれていた。

僕としても、ほんの少しずつでも、良くなっていると信じたかった。
けど、実際は悪くなっていってた。

初めはこの部屋で歩けたのに、歩けなくなった。
初めは立てたのに、立てなくなってしまった。

この日の午後から夕方には「這って」も行きにくくなり、
仕方ないから、オシッコはしびん代わりにペットボトルにするようになった。

なんで悪くなっていくのか。
わからないな…。
と思うばかりだった。

食欲はなかった。
でもバスーさんの宿にちょっとでも儲けが出るように、
スープや、お粥や、ラッシーを注文して食べた。

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(ベジタブル スープ)
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(バナナ粥)

部屋で、電気を消して、ベッドに座り、ボーッとしている。
ドアは施錠せず、半分くらい開いている。
通路を通る人は、中が見える。
通りながらフッと見ると、暗闇の奥から僕がボーッと見ている。
ギクッ!とするかもね。
普段はそこにいないはずの、わけのわからないものがいて、こっちを見てるわけだし。
通路は色んな人が通っていた。
注文の品を台所に届ける業者の人なども来てて、暗闇独房人(またの名を「どくぼう王」。「がんくつ王」に対抗)の僕を見てギクッとしていた。

激痛3日目 独房での暮らし_a0006008_00065033.jpg
(その日のノートから)

この日、独房から出られず、食堂にすら行けず、外の風景を見ず、日光も見なかった。
だが、そんなことを嫌に思うヒマもなく、
ベッドで痛みにのたうち回っていた。

いったい、何なん?
何これ?
と思いながら…。

そうして、激痛3日目、トロンラゲストハウスの2日目も、暮れて行った。


by kazeture | 2017-07-20 00:07 | ネパール2017 | Comments(0)
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