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風に連れられ旅をする… 旅人 清火(さやか)の写真+言葉
by kazeture
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松葉杖でバスに乗る

松葉杖をついて歩いてバスに乗り、病院に通わねばならない。

今日がその一日め。



松葉杖というものを使った歩行は、スローモーである。

すべての動作はゆっくりとなる。

それはそれで良い。

松葉杖が見せてくれるゆっくりとした風景には味があるから、

それを楽しんでいたら良い。



でも、「バスに乗る」となると…

あのバスの世界と松葉杖の世界がそぐわないような気がして

すこし躊躇してしまう。



だけど神の敷いたレールの上にこのプログラムも入っていた。

だから、やるのだ。



病院では守られていた。

家でも、守られている。

すこしずつ外へ出て行く。

冒険の旅がはじまって行く。

大幅に制限された体でどのように動けるのか、身を持って試すのだ。




まず家を出てバス停まで歩く。

ゆっくり歩く。

長距離松葉杖歩行に慣れてないから多少は疲れるが、座り込むほどではない。

駅のバスターミナルへ。

ベンチに座って待つ。

しばらくしてバスが来た。

「ノンステップバス」だ!

乗り込みやすい。

ピョコンと乗り込む。

体の不自由な人の席に座る。

ノンステップバスは良いな。

この路線は八割がノンステップバスだと聞いている。

ノンステップバスの良さを自身で初めて感じた。

ぼくの住む街もいつのまにか進化していたのだ。



さて、五分で病院の前のバス停に到着。

190円を握りしめながら松葉杖をつくという高等テクニックで出口へ進み、お金を払ってありがとうと言ってバスを出た。

やったー!

できた。




病院で診察を受ける。

傷の経過は順調。

三日後に抜糸となる。

抜糸のあとは風呂に入ってもよくなる。



そのあとリハビリ。

ひざの上のふとももの部分に力を入れないと脚を持ち上げられない。のに、それが難しい。
筋肉の特定の部位に指令を出すのが難しいのだ。
それを理学療法士さんはあの手この手で筋肉の感覚を呼びさましてくれる。
それで少しひざの上の筋肉に力を入れることができるようになった。
さすがだと今日も思った。


とにかくこれからは理学療法士さんと二人三脚の日々。


じょじょに、じょじょに、ひざを曲げたり立ったり歩いたりできる方向に進んで行こう。




帰りも滞りなくバスに乗って帰って来ることができた。


ほっ。




なんでも、初めての時だけが別格だ。

初めてのことは、ぼくにたくさんのことを教えてくれる。

いろんな教えをありがとう。
by kazeture | 2010-02-24 16:22 | Comments(1)
Commented by fuu at 2010-02-24 22:09 x
うん。旅とかって、ふだんと違う土地へでかけることだけでなく
ほんの身近なところだって、旅の感覚を感じようと思えば、感じられるんだと思う。焦らずゆっくり、一歩ずつ。
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