人気ブログランキング | 話題のタグを見る

風に連れられ旅をする… 旅人 清火(さやか)の写真+言葉
by kazeture
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31


今年の漢字:「折」

今年の漢字:「折」_a0006008_22212696.jpg

写真:まっぷたつに割れた膝のお皿





ぼくの今年2010年を漢字一字であらわすなら、まぎれもなく

「折」

である。


骨折の折。折れる。


今年は骨折しかしてない。(2/10に折れた)


骨折、入院、手術、リハビリ。


そのほかは、友達の結婚パーティーに三回歌いに行った。


それだけ。


わかりやすいと言えば、わかりやすい一年だ。




折れる。

痛かったなー! もー!

ケガした直後、手術中、手術後、二回目の手術。

痛かった!




折れる。というのは象徴的だ。

骨も折れたが、ぼくの心の中の突っ張り、硬直、頑張りというようなものもポッキリ! と折れてしまい、

タコのようにフニャ〜となってしまった。

が、それで心の中のかたくなさが取れた。

くずおれることができる、たよることができるというのは、一種の強さ。

人生の後半を、人々の間で暮らしてゆくためにはそれが必要だったのだろう。

ぼくという不完全な魂が。




この件があったおかげで、精神的にはシンプルになった。

面倒なことをしょいこめなくなった。

ひざがあまりにも弱く、

「他人の重荷を背負う余裕、いっさいありませんから!」

と、正面切って言える状況になった。

それが、シンプルに楽に、変えた。






最近感じること。


ぼくの人生…生きるにつれていろんな境界が薄れてきた。


自分と、ほかの生き物。

日本と、外国。


このふたつが、今までうろうろと旅した経験の中で薄れていった境界だ。



そして今年、このケガのあと、もうひとつ増えた。


それが

生と死の境界だ。



骨折の衝撃と痛み、手術、麻酔によって…ぼくは非常に

死と近接したのだと思う。


あるいは、ちょっと、死んだのかもしれない。



「生と死は、同一ライン上にある」

という感覚が生まれた。



生きてることと死んでることの違いをあまり感じない。

人は、すぐ死ぬことがある。

ぼくは、すぐに死ぬことができる。

壁はない。

どちらでも大丈夫。



生から死。死から生。

それはひとつのお盆の上にのった、つながった出来事。




人は「死、死!」とことさら取り立てて騒ぐが、

人が毎晩やってるあの「寝る」という行為、

毎晩、前後不覚に意識を失っちゃってさ…

あれって、すごく死んでるっぽいぞ?

人は毎日死んだり生きたりしてるんじゃないか。




次の世界を、こわがらない。

やたらと不安視しない。

そうして、大胆にリラックスして

今この時を生きる。



つぎの瞬間ぼくは

すぐになんの抵抗もなく

すんなりと死ぬ。





ほかの生き物との境目がないように地上に生息し

外国との境目がないように暮らし、旅し

死との境目がないように生きる。




泳いでいこう、

いろんな角度へ。
by kazeture | 2010-12-23 22:21 | Comments(0)
<< 2つの会合 あしたの夜、歌う >>